梅松町江『ショクドー・ディナーショー』の感想 – 食堂+BL

takedahrsによるPixabayからの画像
目次

あらすじ

大学生のイチは、バイト先の平田食堂の常連、「涼さん」のことが気になっていた。食い逃げ事件をきっかけに、彼と話せたイチは大喜び。ある日、バイトの帰り道でイチは「涼さん」と偶然一緒になる。さらになんと「涼さん」は同じアパートの住人で-。

梅松町江『ショクドー・ディナーショー』

物語の中心となるのはイチと「涼さん」

イチは大学生。平田食堂でアルバイトをしています。
いわゆる「ノンケ」
交際していた彼女に二股されて裏切られて傷心中のところから物語が始まります。

イチのバイト先は食堂。
その常連さんである「涼さん」に惹かれていくことになります。

涼さんはサラリーマン。
物静かな印象で、感情が見えにくい無表情なところもあります。

しかし、物語が進んでいくにつれて、涼さんの様々な一面が見てきます。
読み進めていくほどに、その魅力がわかってくることでしょう。

感想

ウブなイチがかわいい

大学生のイチは、ウブなところが可愛らしいです。

彼女ともなかなかうまくいっていなかったイチ。
男性との恋愛経験もありません。
それなのに涼さんに惹かれてしまう……
今までに抱いたことのない感情に戸惑う様子はとてもウブ。そこがいい。

物語の半分は、イチが、その初めて抱く感情を受け入れるまでの話です。
そして、それを涼さんにどうやって伝えるかという話です。

イチは同じ大学のバンド仲間にも、涼さんのことを話すのですが、仲間たちの反応を含めて初々しくて、なんだか微笑ましくもあります。

とはいえ、イチはどうしていいかわからないから、それで涼さんとすれ違ってしまうこともあるのですが……

物静かな涼さんの魅力

物静かで、感情が見えにくい涼さん。

しかし、物語が進んでいくにつれて、いろんな涼さんの表情が見えるようになります。

イチよりも年上で、落ち着いているように見える涼さんも、イチと出会ってから動揺したり戸惑ったり、ときめいたり……
はじめには見えなかった様々な感情が、少しずつ見えてくるのがとても愛らしいです。
ギャップがいっぱい。

いわゆる「どっちが攻めか、受けか」は、物語の終盤になるまでわかりません。
読むまでのお楽しみに。

食と和み

タイトルに「ショクドー」とついているように、物語の随所では食事のシーンが出てきます。
食堂で涼さんがごはんを食べたり、イチや涼さんの部屋で食事をともにしたり。

「食事」って和みますね。

グルメ漫画というほどまで食事にフォーカスされているという印象はありませんが、食事のシーンが挟まれることでなんだか和んだ気持ちになれます。

涼さんの台詞を一部抜粋します。

イチくんがいないから一人でメシ食ってたけど

プラスチック食べてるみたいに味気ない…

孤食ができなくなった!

梅松町江『ショクドー・ディナーショー』

食堂で出会って、一緒に食卓を囲むようになって……

食事を通じてイチと涼さんの仲間が深まっていくのは、この作品の見所です。

まとめ

食に関する作品の好きな方、ウブで初々しいやりとりが好きな方にはきっと気に入っていただけると思います。

ぜひ、お手にとってみてください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

属性にとらわれず、自分らしく生きる道を選びました。

音楽やメイクを嗜みます。

ジェンダーレス志向です。
多様性が認められる世の中になることを願っています。

コメント

コメントする

目次